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見守り契約とは?ひとり暮らしの老後で考えたい「任意後見が始まる前」の備え

ひとり暮らしをしていると、「倒れても誰にも気づかれなかったらどうしよう」「認知症が始まっても、自分では気づけないかもしれない」という不安を感じることがあります。

こうした不安への備えとして利用されることがあるのが「見守り契約」です。

※本記事でいう「任意後見が始まる」とは、任意後見契約を結んだ時点ではなく、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見人が正式に職務を開始する時点を指します。この点は本文で改めてご説明します。

見守り契約とは

見守り契約は、任意後見のように法律で契約内容が一律に定められた契約類型ではありません。実務上、定期的な電話や訪問などを通じて本人の生活状況を確認し、必要な支援につなげるための契約として利用されています。

見守り契約を結んだからといって、相手に財産管理や契約の代理権が当然に与えられるわけではありません。あくまで「状況を確認し、変化に気づく」ための契約です。

任意後見とは

一方、任意後見は、将来、判断能力が不十分になった場合に備えて、財産管理や生活・療養に関する一定の事務について代理権を与える制度です。

ここで押さえておきたいポイントが2つあります。

① 任意後見契約は公正証書で結ぶ必要があります

任意後見契約は、法律上、公証役場で公正証書によって結ぶことが必要とされています。口約束や私的な書面だけでは成立しません。

② 契約を結んだだけでは、まだ任意後見は始まりません

任意後見契約は、結んだ時点や、判断能力が実際に低下した時点で自動的に効力が生じるわけではありません。家庭裁判所に申立てを行い、任意後見監督人が選任された時点で、はじめて任意後見人が正式に職務を開始します。

つまり任意後見を確実に機能させるには、

の両方が必要になります。この「その時に気づき、動く」という部分は、契約書だけでは自動的には実現しません。

見守り契約と任意後見の接続点

ここに、見守り契約の本来の役割があります。

・見守り契約=日常的な状態確認によって、判断能力の低下という「変化」を早期にキャッチする仕組み

・任意後見=その変化を受けて家庭裁判所に申し立て、判断能力低下後の財産管理や身上保護を法律上代理する仕組み

任意後見契約を結んでいても、誰も変化に気づかなければ、家庭裁判所への申立てが遅れ、必要な保護が実際に始まるタイミングを逃してしまうことがあります。見守り契約は、この「気づきの空白期間」を埋め、任意後見への申立てタイミングを逃さないための備えとして機能します。

見守り契約で決めておきたいこと

「見守ります」とだけ決めても、何をしてくれるのかは明確になりません。たとえば、以下のような点を具体的に決めておくことが考えられます。

まとめ

見守り契約は任意後見の代わりではありません。むしろ、まだ自分で判断できる時期と、将来、任意後見という形で法律上の支援が必要になる時期とをつなぐ仕組みの一つとして考えるとよいでしょう。



※本記事は2026年8月時点で施行されている法令・制度に基づいて記載しています。

2026年6月17日に成年後見制度及び遺言制度を見直す「民法等の一部を改正する法律」が成立し、同年6月24日に公布されています。成年後見制度に関する改正部分は、公布の日から2年6か月以内の政令で定める日に施行される予定です。

任意後見制度についても、現在の「任意後見監督人が選任された時から効力を生じる」仕組みから、改正法施行後は「任意後見開始の審判」がされた時から効力を生じる仕組みへ変更されます。また、現在は必ず選任される任意後見監督人についても、家庭裁判所が明らかに監督の必要がないと認めるときは選任せず、家庭裁判所自身が直接監督する運用が可能になる見込みです(監督の仕組みそのものがなくなるわけではありません)。制度改正の施行後は、本記事の内容も改正後の制度に合わせて更新する必要があります。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的判断を保証するものではありません。ご自身の状況に応じた具体的な検討については、行政書士等の専門家にご相談ください。

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